赤外線調査をすることで、見逃されがちな外壁・コンクリートの異常を発見!
赤外線調査が外壁調査に欠かせない理由をご存知ですか?こちらでは、赤外線を用いてコンクリート外壁の潜在的な問題をいかに発見するかを詳しく説明します。
建物の安全性と耐久性を守るために必要な情報が、ここにあります。将来的に発生する問題を未然に防ぎ、より安心して建物を維持・管理していくための情報として、ぜひお役立てください。
コンクリート外壁の隠れた異常を発見する赤外線調査の手法

温度差を利用した異常箇所の特定
赤外線調査は、建物の表面温度の差を利用してコンクリート外壁の隠れた異常を発見する方法です。この方法は、建築基準法12条に基づく定期点検の検査項目の一つとしても活用されています。赤外線カメラを使用して建物の表面温度を測定すると、健全な部分と異常がある部分では温度差が発生します。この温度差を利用して、以下のような異常を特定します。
剥離、浮き
- 基本的には日中に(日が昇って外壁に日が当たってから)調査します。
※日照により外壁が熱せられると、壁面の温度が上昇します。このとき、剥離や浮きがある部分は熱が滞留するため、健全部に比べて温度が高くなります。一方、日中に熱せられた外壁が夕方~夜にかけて冷却される際、剥離や浮きがある部分は熱の放出が妨げられるため、健全部に比べて温度が低くなります。この条件を満たす時間帯に作業を行うことで、剥離や浮きを特定します。
雨漏りや水分侵入
- 水分を含んだ部分は、乾燥した部分と比べて温度変化が遅くなります。
- 朝方や夕方など、温度変化が大きい時間帯に測定することで、水分侵入箇所を特定可能です。
断熱材の劣化や欠損
- 断熱性能が低下している箇所は、周囲と異なる温度分布を示します。
- 特に冬季の室内からの測定で、断熱不良箇所を特定しやすくなります。
赤外線調査の精度を高めるためには、以下の点に注意が必要です。
- 測定時の気象条件(晴れ・曇り、気温、風速など)
- 建物の構造や使用材料
- 測定時刻(日の出・日没前後が最適)
赤外線調査は破壊などをせず広範囲を効率的に調査できる反面、熟練した技術と適切な解釈が必要となります。そのため、専門家による調査と分析が重要です。
赤外線画像の読み方と解釈
赤外線調査で得られる画像は、建物の外壁から放射される赤外線を見えるようにしたものです。この画像の読み方と解釈を正しく理解することで、建築基準法12条に基づく定期点検の精度を高めることができるでしょう。赤外線画像の基本的な読み方は以下のとおりです。
色の濃淡
- 明るい(白っぽい)部分:温度が低い
- 暗い(黒っぽい)部分:温度が高い
※ただし、使用するソフトによって異なります
温度差の解釈
- 均一な色:正常な状態
- 不自然な温度差:異常の可能性あり
赤外線画像の解釈には、以下の点に注意が必要です。
- 時間帯による影響:日中と夜間で温度分布が逆転することがあります。
- 材質による違い:同じ温度でも、材質によって放射率が異なり、見かけの温度に差が出ます。
- 環境要因:日射や風の影響を考慮する必要があります。
赤外線調査の検査項目には、
- 剥離
- 浮き
- 雨漏り
などが含まれます。これらの異常は、周囲と異なる温度分布として現れます。例えば、浮きがある部分は空気層ができるため、周囲より温度が高く表示されます。正確な診断のためには、赤外線画像だけでなく、目視点検や打診調査など他の手法と組み合わせて総合的に判断することも重要です。専門家へ相談し、知識と経験を活かして適切な画像の理解をすることで、外壁の隠れた異常を効果的に発見できるでしょう。
12条点検(建築基準法12条)
建築基準法12条に基づく点検、通称「12条点検」は、建築物の安全性を確保するための重要な制度です。この定期点検は、不特定多数の人が利用する建物を対象に、構造の老朽化や避難設備の不備、建築設備の作動不良などを未然に防ぐことを目的としています。12条点検の主な特徴は以下のとおりです。
対象建物
- 国指定:劇場、病院、福祉施設など
- 地方自治体指定:学校、共同住宅、事務所など(自治体により異なる)
点検内容
- 建築物の点検:屋根・外壁等の外部、防火・避難関連の内部
- 建築設備の点検:換気、非常照明、排煙、給排水設備など
点検周期
- 建築物:3年ごと
- 建築設備:1年以内ごと
実施者
- 一級建築士、二級建築士
- 特定建築物調査員、建築設備検査員(講習受講者)
検査項目には、外部の擁壁や地盤、屋上・屋根の状態、建物内部の防火区画や不燃材の劣化状況などが含まれます。また、避難施設や非常用照明などの建築設備も重要な点検対象です。12条点検を怠ると、災害時の避難障害や事故の責任を問われる可能性があり、最悪の場合100万円以下の罰金が科される場合もあります。そのため、建物の安全性と法令遵守のため、専門家による適切な定期点検の実施が不可欠です。
赤外線調査がコンクリート外壁と相性がよい理由
赤外線調査は、なぜマンションなどのコンクリート外壁と相性がよいのでしょうか。それはコンクリートが持つ「熱しやすく冷めにくい」という性質を最大限に活用できるからです。
熱をため込む性質で「浮き」を発見
コンクリートは太陽の熱をじっくり蓄える性質があります。そのため、内部に隙間ができた「浮き」の部分と健全な部分とで、温度の差がはっきりと現れます。
この温度差を捉えることで、建築基準法12条の定期点検で重要な検査項目である、将来の落下リスクを高い精度で見つけ出せるのです。
水を含むと温度が変わる性質で「雨漏り」を発見
ひび割れから雨水が侵入すると、コンクリートは内部に水分を保持します。水を含んだ箇所は表面温度が低くなるため、赤外線カメラで見ると、目視では分からない雨漏りの範囲や水の通り道を特定できます。
赤外線調査は人の目では見えないコンクリートの”隠れたSOS”を、温度の違いとしてキャッチできる調査方法です。
コンクリートの”健康診断”に適した赤外線調査会社をお探しでしたら、スカイスキャニングもぜひ、選択肢の1つとしてご検討ください。
赤外線調査で発見できる外壁の主な異常

剥離や浮きの検出方法
赤外線調査を用いた外壁の剥離や浮きの検出方法は、コンクリート構造物の健全性を破壊せず評価するうえで、とても効果的です。この方法は、建築基準法12条に基づく定期点検の重要な検査項目の一つとなっています。剥離や浮きの検出は、健全な部分と異常がある部分の熱伝導率の違いを利用しています。具体的な手順は以下のとおりです。
1.日中の太陽光による加熱
- 外壁全体が太陽光で均一に加熱されます。
2.日中の観察
- 日射により外壁温度が十分に上昇した状態で観察
- 健全な部分:熱が表面から内部に伝わり、表面温度が低い状態を維持
3.夕方から夜間の観察
- 健全な部分:熱が内部から表面に伝わり、表面温度が高い状態を維持
- 剥離や浮きがある部分:内部からの熱が表面に伝わりにくく、表面温度が低い状態を維持
また検出精度を高めるためのポイントは以下のとおりです。
- 測定環境:温度変化が5度以上
- 天候条件:晴れた日を選ぶ
- 撮影角度:さまざまなノイズを考慮して最適な角度で撮影
この方法を用いることで、目視では発見が困難な外壁の異常を早期に発見し、適切な補修計画を立てることが可能となります。
雨漏りや水分侵入の痕跡などの確認
雨漏りや水分侵入の痕跡
赤外線調査を用いることで、目視では確認が難しい雨漏りや水分侵入の痕跡を効果的に発見できます。これは建築基準法12条に基づく定期点検の検査項目としても重要です。赤外線カメラで撮影すると、水分を含んだ箇所は周囲よりも温度が低く表示されるため、以下のような特徴が現れます。
- 壁や天井に不自然な冷たい部分がある
- 乾いた部分と湿った部分の境界線がはっきりと見える
- 壁や天井の表面温度にむらがある
これらの特徴が見られる場合、その箇所で雨漏りや結露などによる水分侵入が疑われます。
赤外線調査で発見できる主な水分侵入の痕跡は以下のような点です。
- 屋根や外壁からの雨水浸入
- 配管からの水漏れ
- 結露による壁内部への水分蓄積
- 基礎部分からの湿気上昇
また、赤外線カメラを使用する際は、以下の点に注意が必要です。
- 調査は晴れた日の午後など、建物が十分に温められた状態で行う
- 外気温と室内温度の差が5℃以上ある時間帯を選ぶ
- 日光が当たっている面と影になっている面では温度差が出るため、誤判断に注意する
このように、赤外線調査を活用することで、目に見えない雨漏りや水分侵入の痕跡を早期に発見し、適切な対策を講じることができます。これにより、建物の長寿命化やメンテナンスコストの削減にもつながるでしょう。
断熱材の劣化や欠損
赤外線調査は、外壁の断熱材の劣化や欠損を発見するのにとても効果的な方法です。断熱材の状態は、建物の省エネ性能や快適性に大きく影響するため、定期的な点検が大切です。建築基準法12条に基づく定期点検の検査項目にも含まれることがあります。赤外線カメラを使用すると、断熱材の劣化や欠損箇所が以下のように表示されます。
- 正常な断熱材がある部分:均一な温度分布
- 断熱材が劣化または欠損している部分:周囲より高温または低温の箇所として表示
また断熱材の劣化や欠損が見られる主な原因は次のようなものがあります。
- 経年劣化
- 施工不良
- 水分侵入による断熱材の圧縮や変形
- 害虫や小動物による損傷
赤外線調査で断熱材の問題を発見した場合、以下の対策の検討が必要です。
- 部分的な断熱材の補修または交換
- 断熱材全体の更新
- 高性能な断熱材への交換による断熱性能の向上
断熱材の劣化や欠損を放置すると、エネルギー効率の低下や結露の発生など、様々な問題につながる可能性があります。そのため、赤外線調査を活用した定期的な点検と適切な対策が重要です。スカイスキャニングのような専門家は、赤外線調査で目視では確認しづらい断熱材の状態を正確に把握し、効果的な補修や改修計画を立てることができます。建物の長寿命化と快適性の維持のために、赤外線調査を活用した断熱材の点検の実施がおすすめです。
コンクリート外壁にありがちなひび割れ!赤外線調査で深さを検査!
赤外線調査は、コンクリート外壁のひび割れ深さの検査にも役立ちます。ひび割れは、建物の構造的な問題を示す重要なサインであり、その深さを正確に把握することは、適切な補修計画を立てるうえで不可欠です。
赤外線サーモグラフィを使用すると、ひび割れの深さによって異なる温度分布を画像化できます。表面的なひび割れは温度差が小さく、深いひび割れは温度差が大きくなります。これは、ひび割れの深さによって空気の層の厚さが変わり、断熱効果に差が生じるためです。この温度差を分析することで、ひび割れの深さを非破壊で推定できます。目視検査では判断が難しい微細なひび割れや、内部に隠れたひび割れも発見できるため、建物の安全性確保に大きく貢献します。ひび割れの深さを知ることで、適切な補修方法を選択し、外壁の劣化を防ぐことができます。ひび割れの深さに応じた適切な補修を行うことで、建物の寿命を延ばし、安全性を維持することが可能になります。
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