高精度&安全な外壁調査を、圧倒的なスピードで。
建物の美観と安全性を長期にわたり維持するためには、定期的な外壁調査が不可欠です。しかし、従来の方法ではコストや安全面、期間の長さが課題となることも少なくありませんでした。近年、こうした課題を解決する革新的な技術として、「ドローン」を活用した外壁調査が急速に注目を集めています。
このページでは、ビルやマンションのオーナー様、管理組合の皆様、そして建物の維持管理に携わるすべての方々に向けて、ドローンによる外壁調査の基礎知識から、具体的なメリット、従来工法との比較、さらには法規制や業者選びのポイントに至るまで、網羅的に解説いたします。最先端技術がもたらす建物診断の新常識をご理解いただき、賢明なメンテナンス計画の一助となれば幸いです。
外壁調査にドローン?ビル・マンションオーナー様が知るべき基礎知識

「ドローンで外壁調査ができるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、ドローンを用いた外壁調査の基本的な仕組みと、なぜ今この技術が広く採用され始めているのか、その背景を詳しくご説明します。
ドローン外壁調査とは:赤外線カメラ・高解像度カメラが実現する精密診断
ドローン外壁調査とは、無人航空機(ドローン)に特殊なカメラを搭載し、建物の外壁の状態を空から診断する最先端の技術です。主に「赤外線サーモグラフィカメラ」と「高解像度可視光カメラ」という2種類のカメラが用いられ、それぞれが異なる役割を担い、外壁の健全性を精密に評価します。
まず、赤外線カメラの役割についてです。このカメラは、外壁表面の温度分布を捉えることができます。例えば、外壁材(タイルやモルタルなど)が下地から浮いている「浮き」と呼ばれる状態や、内部に雨水が浸入している「水分滞留」といった目には見えない異常箇所は、周囲の健全な部分と温度差が生じます。赤外線カメラはこれらの微細な温度差を検知し、画像として可視化することで、隠れた劣化のサインを早期に発見するのに役立ちます。特に「浮き」は、放置すると剥離・落下事故につながる危険性があるため、早期発見が重要です。
次に、高解像度カメラの役割です。こちらは、外壁表面のひび割れ(クラック)、塗膜の剥がれ、タイルの欠損、エフロレッセンス(白華現象)といった、目視で確認可能な劣化状況を、非常に鮮明な画像で記録します 4。ドローンは建物の壁面に接近し、一定の距離を保ちながら飛行できるため、高層階や複雑な形状の部分であっても、地上からの目視や双眼鏡では確認が難しい細部まで詳細に捉えることが可能です。
このように、赤外線カメラによる内部の異常検知と、高解像度カメラによる表面の劣化状況の確認を組み合わせることで、外壁の状態を多角的かつ詳細に把握することができます。これは、どちらか一方のカメラだけでは得られない、より網羅的で信頼性の高い診断結果につながります。さらに、ドローンは壁面に対して常に最適な角度と距離を保って撮影できるため、得られるデータの品質が均一化されます。この均一性は、将来的に再度調査を行った際に、経年変化を正確に比較・分析するための基盤となり、建物の長期的な維持管理計画において極めて重要な意味を持ちます。
なぜ今、ドローン活用が急速に広がっているのか
ドローンによる外壁調査が近年急速に普及している背景には、いくつかの重要な要因があります。
第一に、ドローン本体の性能向上と搭載カメラの進化が挙げられます。飛行安定性の向上、バッテリー持続時間の延長、そして何よりもカメラの小型化・高性能化が進みました 。これにより、以前は専門的な空撮業者に限られていた技術が、より身近で実用的な建物診断ツールとして利用可能になったのです。
第二に、その圧倒的なコストパフォーマンスと安全性の高さが、多くの建物オーナー様や管理会社様に認知され始めた点です。従来の足場設置やゴンドラ作業に伴う多額の費用や長期の工期、そして作業員の安全確保といった課題に対し、ドローンは明確な解決策を提示しました。特にコスト面では、従来工法と比較して大幅な削減が期待できるケースも報告されています。
さらに近年、ドローンの活用が拡大しているもう一つの背景として、人手不足も挙げられます。従来の打診検査は危険が伴う上、高度な専門性が求められることから、作業の担い手が不足していることが深刻な課題となっています。ドローンを活用することで作業効率が大きく向上し、少人数でも安全かつ的確な調査が可能となるため、この点でもドローン技術への期待が高まっています。
そして第三に、法的な整備と公的機関による認知が進んだことも大きな後押しとなっています。特筆すべきは、国土交通省がドローンによる赤外線調査を建築基準法第12条に基づく定期報告制度における正式な調査方法の一つとして認めたことです。令和4年(2022年)からは、一定の条件下で打診調査と同等以上の精度が確認されれば、ドローン調査の結果を定期報告に用いることが可能となりました。この法的な裏付けは、ドローン調査が単なる新しい技術というだけでなく、公的に認められた信頼性の高い診断手法であることを意味し、ビルオーナーや管理組合が安心して採用できる環境を整えました。以前は「実験的な技術」と見なされることもあったドローン調査が、法改正を機に「標準的で信頼できる選択肢」へとその地位を確立し、市場での普及を大きく加速させているのです。
このように、技術の成熟、実証された経済的・安全的メリット、そして法的な信頼性の確立という三つの要素が複合的に作用し、ドローン外壁調査は今や建物診断の分野で不可欠な選択肢として急速にその活用範囲を広げています。
従来の外壁調査との徹底比較!ドローン導入の圧倒的メリット
ドローンによる外壁調査は、従来の足場やゴンドラ、ロープアクセスといった手法と比較して、多くの顕著なメリットをもたらします。ここでは、安全性、コスト、期間、精度の各側面から、その優位性を具体的に解説します。
安全性:足場不要で危険作業を大幅削減
従来の外壁調査方法、特に足場の設置やゴンドラ、ロープアクセスによる作業は、作業員が高所という危険な環境で業務を行うことを前提としています 4。これには、作業員の転落・墜落リスクや、工具・資材の落下による第三者への危害リスクが常に伴います。
一方、ドローンを用いた外壁調査では、作業員が高所に登る必要が一切ありません。地上からの遠隔操作によって調査が完結するため、高所作業に伴うあらゆる危険を根本から排除できます 4。これは作業員の安全確保はもちろんのこと、万が一の事故発生時に建物オーナー様が負う可能性のある責任や、関連する保険コストの増大といった懸念を大幅に軽減することにも繋がります。事故やニアミスが発生すれば、作業中断や調査が必要となり、プロジェクト全体の遅延や追加コストを招くこともありますが、ドローン調査はそのようなリスクを最小限に抑え、よりスムーズで安全なプロジェクト進行に貢献します。
コスト:最大70%削減も!経済的な負担を軽減
外壁調査における最大の懸念事項の一つが費用です。従来工法では、特に大規模な修繕を伴わない調査であっても、足場の設置・解体費用や、ゴンドラ・高所作業車のレンタル費用、ロープアクセス技術者の人件費などが大きな負担となっていました。
ドローン調査では、これらの仮設設備が基本的に不要となるため、コストを劇的に削減できます。ある事例では、従来の足場を用いた打診調査と比較して、費用を30%から70%程度削減できる可能性が示唆されています。例えば、1000平方メートル以下の建物の場合、ドローン調査費用が約30万円であるのに対し、足場打診調査では100万円を超えることも珍しくありません。平方メートル単価で見ても、ドローン調査は200円~450円/㎡程度であるのに対し、足場打診調査は250円/㎡~に加えて別途足場費用が発生します 12。また、調査に必要な人員も少数で済み、作業期間も短縮されるため、総コストの圧縮に大きく貢献します。
このコスト削減効果は、定期的な点検の実施を経済的に容易にします。もし点検費用が高額であれば、やむを得ず点検を先延ばしにしてしまうケースも考えられますが、ドローンによってコスト負担が軽減されれば、建築基準法で定められた10年に一度の全面打診調査 10 などの定期点検を計画通りに実施しやすくなります。これにより、劣化の初期段階で問題を発見し、比較的小規模かつ安価な修繕で対応できる可能性が高まり、結果として建物のライフサイクルコスト全体の最適化に繋がるのです。さらに、ドローン調査の費用は、建物の規模や形状に応じて比較的明確に見積もることが可能です。足場費用のように、建物の複雑さや立地条件によって大きく変動する要素が少ないため、予算計画が立てやすいという点も、建物オーナー様や管理組合様にとって大きなメリットと言えるでしょう。
期間:調査時間を大幅短縮、迅速な対応が可能に
従来の外壁調査、特に足場を組む場合は、その設置と解体に数週間から1ヶ月以上を要することも珍しくありませんでした。調査そのものにも時間がかかり、建物全体の調査が完了するまでには長期間を覚悟する必要がありました。
ドローン調査は、この期間を劇的に短縮します。多くの場合、建物の規模にもよりますが、数時間から1~2日程度で広範囲のデータ収集を完了できます。この迅速性は、調査期間中の建物の利用者や居住者への影響を最小限に抑えることにも繋がります。例えば、ホテルや商業施設などでは、長期間にわたる足場の設置は景観を損ね、集客に影響を与える可能性がありますが、ドローン調査であれば営業への支障をほとんどきたすことなく点検を実施できます。
この調査期間の短縮は、特に緊急性の高い劣化が疑われる場合に大きな意味を持ちます。万が一、外壁からの落下物や漏水といった深刻な問題が懸念される状況で、従来の方法では診断結果が出るまでに数週間も待たなければならないとしたら、その間に被害が拡大するリスクも否定できません。ドローンであれば迅速に状況を把握し、速やかな修繕計画の策定や応急処置の判断が可能となり、建物の安全性維持に貢献します。商業施設においては、美観の維持や騒音の抑制といった、顧客体験を損なわないための配慮も重要です。ドローン調査の短い作業時間と最小限の作業スペースは、これらの商業的価値を維持する上でも大きな利点となります。
精度:人の目では届かない場所も、隅々まで高精度に調査
人の目や地上からの確認には限界があります。特に高層階や、建物同士が近接している狭隘部、複雑な意匠が施された箇所などは、従来の方法では詳細な確認が困難でした。
ドローンは、これらのアクセスが難しい場所へも容易に到達し、壁面に対して最適な距離と角度を保ちながら飛行することで、外壁全体の詳細なデータをくまなく収集します 4。搭載された高解像度カメラや赤外線カメラは、地上からの目視では見落としがちな微細なひび割れや、隠れたタイルの浮きなども捉えることができます。これにより、建物の隅々まで均一な品質での高精度な調査が実現します。
さらに、ドローンによって撮影された画像や動画、赤外線データは、全てデジタル情報として保存されます 2。これは、調査結果を客観的な記録として恒久的に保管できることを意味し、将来の修繕計画の策定や、経年変化の比較分析において非常に貴重な資料となります。単なる「点検」から一歩進んで、データに基づいた「資産管理」へと進化させる可能性を秘めているのです。過去の調査データと照らし合わせることで、劣化の進行速度を具体的に把握し、「このひび割れは年間Xミリ進行しているため、Yヶ月後には補修が必要」といった予測に基づいたメンテナンス計画、すなわち予防保全的なアプローチも可能になります。
また、劣化箇所とその範囲を正確に特定できるため、修繕工事の見積もり精度も向上します 6。どこにどのような補修がどれだけ必要なのかが明確になることで、修繕業者もより的確な見積もりを提出でき、工事着手後の予期せぬ追加費用や作業範囲の変更といったリスクを低減し、建物オーナー様の予算管理を容易にします。
【一目でわかる】ドローン外壁調査と従来工法の比較
専門家は、これらの情報を分かりやすくまとめ、客観的な評価を行います。例えば、屋根の劣化度を5段階で示すなど、数値化された評価を行うことで、住宅の状態を明確に伝えます。また、報告書には今後のメンテナンスに関する提案も含まれるでしょう。例えば、以下のような内容です。
| 比較項目 | ドローン赤外線調査 | 足場打診調査 | ゴンドラ打診調査 | ロープアクセス打診調査 |
|---|---|---|---|---|
| 安全性 | ◎ | △ | △ | × | コスト | ◎ | × | △ | △ | 期間 | ◎ | × | △ | △ | 精度 | ○ | ◎ | ○ | ○ | データ記録 | ◎ | △ | △ | △ | 主な特徴 | 足場不要、短期間、広範囲を効率的に調査。赤外線で目に見えない劣化も検知。データ記録が容易。 | 全面打診による確実な調査が可能だが、高コスト・長期間。高所作業リスクあり。 | 足場より安価・短期間だが、設置可能な建物に限定。高所作業リスクあり。 | ピンポイントな調査に適応。作業員の熟練度に依存。高所作業リスクが高い。 |
(凡例:◎ 非常に優れている、○ 優れている、△ 普通、× 劣る)
この比較表からも明らかなように、ドローン外壁調査は多くの側面で従来工法に対する優位性を示しており、現代の建物診断における合理的かつ効果的な選択肢と言えるでしょう。
ドローンだから見える!赤外線調査で発見できる外壁の劣化サイン

ドローンに搭載される赤外線サーモグラフィカメラは、人の目では見ることのできない外壁内部の異常を「温度差」として捉えることができます。これにより、建物の安全性や耐久性に影響を及ぼす可能性のある、隠れた劣化のサインを早期に発見することが可能です。
「浮き」「剥離」:赤外線サーモグラフィが見抜く隠れた危険
外壁のタイルやモルタルが下地から剥がれかかっている「浮き」や「剥離」は、放置すると部材の落下事故につながる非常に危険な劣化現象です。これらの浮き部では、外壁材と下地との間に空気層が形成されます。この空気層は断熱効果を持つため、日射などによって外壁表面が温められると、浮いている箇所は周囲の健全な部分よりも温度が高くなる傾向があります。
赤外線サーモグラフィカメラは、この微細な温度差を検知し、サーモグラム(熱画像)上で高温部(多くは赤や黄色で表示)として可視化します。これにより、目視では健全に見える箇所でも、内部に潜む浮きや剥離の危険性を非破壊で、かつ広範囲にわたって効率的に発見することができます。特に、1平方メートル程度のまとまった浮きは剥落の危険性が高まるとされており、このような状態を早期に特定し、適切な処置を講じることが事故防止の観点から極めて重要です。
従来の打診調査では、調査員が壁面を叩きながらその音や感触で浮きを発見するため、広大な壁面全てを調査するには多くの時間と労力を要しました。赤外線調査は、まず広範囲を迅速にスクリーニングし、異常が疑われる箇所を特定することで、その後の詳細調査(必要であれば打診調査など)をより効率的に行うことを可能にします。これは、調査全体のスマート化、効率化に繋がる大きな利点です。
「ひび割れ」「雨漏りの兆候」:高精細カメラが捉える微細な劣化と赤外線による水分検知
外壁の「ひび割れ(クラック)」は、雨水の浸入経路となり、建物の耐久性を著しく低下させる原因となります。ドローンに搭載された高解像度の可視光カメラは、地上からは確認が難しい微細なひび割れや、塗膜の膨れ、チョーキング(白亜化)、エフロレッセンス(白華現象)といった表面的な劣化状況を鮮明に捉えることができます。
さらに、赤外線カメラは「雨漏りの兆候」となる壁内部の水分含有状況の把握にも有効です。雨水の浸入や結露などによって壁内部に水分が滞留している箇所は、水の蒸発潜熱や比熱特性により、周囲の乾燥した部分と比較して温度が低く映ることがあります。特に降雨後など、壁面が湿潤な状態では、この温度差が顕著に現れやすくなります。
高解像度カメラで発見されたひび割れと、赤外線カメラで検知された低温部(水分滞留の可能性)を照合することで、単にひび割れが存在するだけでなく、そこから実際に雨水が浸入している可能性が高いといった、より踏み込んだ診断が可能になります。水分がコンクリート内部に浸入すると、中性化を促進し、鉄筋の錆や爆裂といった深刻な劣化を引き起こす原因ともなるため、これらの兆候を早期に捉えることは建物の長寿命化に不可欠です。このように、異なる種類のカメラからの情報を組み合わせることで、劣化の現象だけでなく、その根本的な原因や進行度合いを推定する手がかりが得られます。
調査データの活用:修繕計画や将来のメンテナンスに貢献
ドローン調査によって得られる詳細な画像データ(可視光画像、赤外線サーモグラム)は、建物の現状を客観的かつ正確に記録した貴重な情報資産となります 6。これらのデータは、単に劣化箇所を特定するだけでなく、その後の修繕計画の策定や将来のメンテナンス戦略において多角的に活用できます。
まず、修繕計画においては、劣化の種類、位置、範囲、程度を正確に把握できるため、より的確な補修方法の選定と工事範囲の特定が可能になります 6。これにより、過剰な修繕や修繕漏れを防ぎ、コスト効率の高い工事計画を立案できます。また、客観的なデータに基づいた修繕計画は、建物オーナー様、管理組合様、施工業者間の共通認識を形成しやすく、合意形成をスムーズに進める助けとなります。見積もりの際にも、写真やサーモグラムといった具体的な証拠があることで、工事内容の透明性が高まり、信頼関係の構築にも繋がります。
さらに、これらのデジタル記録は、建物の「診断カルテ」として蓄積され、将来の定期点検時の比較データとして活用できます 2。前回の調査結果と今回の結果を照らし合わせることで、劣化の進行度合いを定量的に把握し、より精密な長期修繕計画の策定や、メンテナンスサイクルの最適化が可能になります。例えば、特定のひび割れの進展速度や、浮き範囲の拡大状況などを経年で追跡することで、緊急性の高い箇所から優先的に対応するなど、予算配分の最適化にも貢献します。これは、場当たり的な修繕ではなく、データに基づいた計画的かつ予防的な保全戦略への移行を意味し、建物の資産価値維持に大きく寄与します。
ドローン外壁調査の進め方と知っておきたいポイント

ドローンによる外壁調査を検討される際に、具体的にどのような流れで進むのか、また事前に知っておくべき法律や注意点について解説します。
ご相談から調査報告までの流れ
外壁のタイルやモルタルが下地から剥がれかかっている「浮き」や「剥離」は、放置すると部材の落下事故につながる非常に危険な劣化現象です。これらの浮き部では、外壁材と下地との間に空気層が形成されます。この空気層は断熱効果を持つため、日射などによって外壁表面が温められると、浮いている箇所は周囲の健全な部分よりも温度が高くなる傾向があります。
1. お問い合わせ・ご相談
まず、調査を希望される建物の概要(所在地、規模、築年数、お困りの点など)をお伝えいただき、専門スタッフがご要望をヒアリングします
2. 現地確認・事前調査(必要な場合)
建物の立地条件や周辺環境を確認し、ドローンの安全な飛行が可能か、障害物はないかなどを評価します。この段階で、おおよその調査計画を立案します。
3. お見積もりの提示
建物の規模、調査範囲、報告書の詳細度などに基づき、正式な見積もりを提示します。
4. 飛行計画の策定・各種申請手続き
調査日が確定したら、詳細な飛行ルートや撮影計画を策定します。飛行場所が空港周辺や人口集中地区(DID)など、航空法に基づく許可・承認が必要な空域に該当する場合は、国土交通省への申請手続きを代行します。
5. ドローンによる現地調査の実施
経験豊富な有資格パイロットがドローンを操作し、赤外線カメラや高解像度カメラを用いて外壁の撮影・データ収集を行います。安全管理者を配置し、安全確保にも万全を期します。
6. データ解析・診断
収集した画像データや赤外線データを各種民間団体から認定を受けた専門の技術者(例:「赤外線建物診断技能師」などの資格保有者)が解析し、外壁の劣化状況を診断します。ドローンの操縦技術だけでなく、建築物や赤外線に関する専門知識を融合させた高度な分析が求められます。
7. 調査報告書の作成・ご報告
解析結果を基に、劣化箇所の位置や状況を明示した詳細な調査報告書を作成し、ご提出します。報告書には、撮影画像やサーモグラム、劣化状況の解説、そして必要に応じた修繕のご提案などが含まれます。
ドローン調査の品質は、単にドローンを飛行させる技術だけでなく、収集したデータをいかに正確に解析し、建物の状態を的確に診断できるかに大きく左右されます。そのため、操縦技術と診断技術の両面に高い専門性を持つ業者を選ぶことが、満足のいく調査結果を得るための重要なポイントとなります。
法律・規制:建築基準法12条点検にも対応
ドローンによる外壁調査は、法的な側面からもその有効性が認められています。特に重要なのが、建築基準法第12条に定められる定期報告制度への対応です。特殊建築物等(多くのマンションやビルが該当)の所有者・管理者は、定期的に専門の技術者による調査・検査を行い、その結果を特定行政庁に報告する義務があります。この定期報告における外壁調査について、国土交通省は令和4年(2022年)より、一定の基準を満たすドローンによる赤外線調査を、一級建築士等による全面打診調査と同等以上の精度を有するものとして認めています。
具体的には、外壁の全面的な調査は、竣工後・外壁改修後10年を経過した際に必要となります。ドローン調査を活用することで、この法的な義務を、従来の足場を組む方法よりも効率的かつ低コストで果たすことが可能になります。これは、建物オーナー様や管理組合様にとって、コンプライアンス遵守の負担を軽減する大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、ドローンの飛行自体には航空法をはじめとする各種規制が適用されます。例えば、空港周辺、人口集中地区(DID)上空、地表または水面から150m以上の高さの空域などでの飛行には、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です。信頼できるドローン調査業者は、これらの法規制を遵守し、必要な手続きを適切に行います。
注意点:天候条件や飛行許可について
ドローン外壁調査を計画する際には、いくつかの注意点があります。
まず、ドローンの飛行は天候に大きく左右されます。強風、降雨、降雪といった悪天候下では、ドローンの安全な飛行が困難であるだけでなく、正確なデータ収集も難しくなります 3。特に赤外線調査の場合、外壁面が濡れていると正確な温度測定ができないため、壁が乾燥していることが条件となります。また、日射による温度変化を捉えるためには、ある程度の日照も必要となる場合があります。
このため、調査日程の選定にはある程度の柔軟性が求められ、予備日を設定しておくことが一般的です 6。調査業者との間で、天候不良時の対応について事前に確認しておくことが重要です。優れた調査業者は、こうした天候リスクを考慮した上で、無理のないスケジュール調整や、顧客への丁寧な状況説明を心掛けています。
また、前述の通り、飛行場所によっては事前に国土交通省への許可・承認申請が必要となる場合があります。これらの申請には一定の期間を要することがあるため、調査を希望される場合は、余裕をもったスケジュールで相談を開始することが望ましいです。通常、これらの申請手続きは調査業者が代行しますが、そのプロセスについても確認しておくと安心です。
ドローン調査の限界と、必要に応じた打診調査との併用
ドローンによる外壁調査は非常に有効な手段ですが、万能というわけではありません。いくつかの限界点も理解しておく必要があります。
例えば、赤外線調査は温度差を検知する原理上、ごく微細なひび割れの奥深くや、断熱材の影響などで表面に温度差として現れにくい内部の異常、あるいは仕上げ材の種類によっては検知しづらいケースも存在します。また、高解像度カメラによる目視調査も、あくまで視覚的な情報に依存するため、外観からは判断できない隠れた劣化を見抜くことは困難です。
そのため、ドローン調査で異常が疑われる箇所や、より詳細な確認が必要と判断される箇所については、従来からの打診調査や部分的な足場を組んでの近接目視調査といった、他の調査方法を併用することが推奨される場合があります。これはドローン調査の欠点を補い、診断の確実性を高めるための合理的なアプローチです。実際に、ドローン調査と打診調査を組み合わせたサービスを提供している業者も存在します。
重要なのは、一つの技術に固執するのではなく、建物の状況や調査の目的に応じて最適な手法を選択、あるいは組み合わせることです。ドローン調査の限界を正直に説明し、必要に応じて他の調査方法との併用を提案できる業者は、顧客に対して誠実であり、より信頼性の高い診断結果を提供しようとする姿勢の表れと言えるでしょう。広範囲を迅速かつ低コストでスクリーニングできるドローンの長所と、ピンポイントで確実な診断が可能な打診調査などの長所を組み合わせるハイブリッドなアプローチは、効率性と確実性を両立させる賢明な戦略と言えます。
スカイスキャニングが選ばれる理由:高品質なドローン外壁調査サービス

数あるドローン外壁調査サービスの中から、スカイスキャニングをお選びいただくには理由があります。私たちは、お客様の大切な建物の資産価値を守り、安全性を確保するために、最高品質の調査サービスを提供することをお約束します。
最新鋭ドローンと赤外線診断技術者の専門性
スカイスキャニングでは、外壁調査に最適化された最新鋭のドローン機材と、高性能な赤外線サーモグラフィカメラおよび高解像度可視光カメラを導入しています 。これにより、微細な劣化も見逃さない、鮮明かつ正確なデータ収集を実現します。
しかし、優れた機材だけでは高品質な調査は成り立ちません。最も重要なのは、収集されたデータを的確に解析し、建物の状態を正確に診断する「人の目」と「専門知識」です。スカイスキャニングには、豊富な飛行経験を持つドローンパイロットに加え、建築物の構造や劣化メカニズム、赤外線画像の解析技術に精通した専門家(一般財団法人職業技能振興会の認定を受けた「赤外線建物診断技能師」の資格保有者)が在籍しています。これらの専門家が、DJI社製の解析ツール「DJIサーマルアナリシスツール」のような高度なソフトウェアも活用しながら 7、微細な温度変化や画像上の異常から劣化の兆候を読み解き、信頼性の高い診断結果を導き出します。私たちは、技術者の継続的な研修と最新技術の導入にも力を入れ、常に診断精度の向上に努めています。最終的な報告書の質や提言内容は、ドローンやカメラの性能もさることながら、この診断技術者の分析能力に大きく左右されることを理解し、人材育成に力を入れています。
多様な建物への対応力と調査アプローチ
スカイスキャニングは、マンション、オフィスビル、商業施設、工場、公共施設など、様々な建物種別や構造、仕上げ材に対応したドローン外壁調査を提供しています。
当社の調査アプローチは、建物ごとの特性を十分に考慮し、現場状況に応じた調査計画を立案することを基本としています。建物の立地条件、周辺環境、法規制などを総合的に勘案し、ドローン調査単独では対応が難しいと判断される場合には、打診調査など他の手法との組み合わせもご提案することが可能です。
一つとして同じ建物はないという認識のもと、それぞれの建物に適した調査方法を選定し、お客様のニーズに沿ったサービスを提供することを心がけています。様々な状況に対応できる柔軟性と、潜在的な課題を見極める洞察力を持って、お客様に価値ある調査結果をお届けできるよう努めています。
透明性の高い料金体系と無料お見積もり
スカイスキャニングでは、お客様に安心してサービスをご利用いただくために、透明性の高い料金体系を心掛けています。調査対象となる建物の規模(壁面積㎡)、形状の複雑さ、高さ、報告書の詳細度などに応じて、明確な基準に基づいたお見積もりを提示いたします。お見積もり内容にご不明な点があれば、丁寧にご説明し、ご納得いただいた上で契約を進めさせていただきます。
また、正式なご依頼の前に、お客様の建物の状況やご要望を詳しくお伺いするための無料相談を実施しております。その上で、概算費用だけでなく、どのような調査が最適かといった点についてもアドバイスさせていただきます。もちろん、お見積もりも無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。料金の透明性と、詳細な見積もりを提供する姿勢は、お客様との信頼関係を築く上で不可欠であると考えており、安心してご検討いただけるよう努めています。
よくあるご質問 (FAQ)

ドローン外壁調査に関して、お客様から寄せられることの多いご質問とその回答をまとめました。
Q1: どんな建物でもドローンで調査可能ですか?
A: 多くの建物で調査可能ですが、建物の立地条件(航空法による飛行制限空域の該当有無)、周辺の障害物の状況、建物の形状などによっては、ドローン調査が適さない場合や一部制限される場合がございます。まずは無料相談にて状況をお伺いし、調査の可否や最適な方法をご提案させていただきます。
Q2: 費用はどのくらいかかりますか?
A: 費用は、建物の規模(壁面積)、高さ、形状の複雑さ、報告書の詳細度などによって変動します。一般的には、1平方メートルあたり200円~450円程度が目安となりますが、詳細はお見積もりにてご提示いたします。お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください 。
Q3: 調査にはどのくらいの時間がかかりますか?
A: 従来工法と比較して大幅に短縮されます。多くの建物では、現地でのデータ収集作業は1~2日程度で完了します。ただし、その後のデータ解析や報告書作成には別途お時間をいただきます。
Q4: 雨の日でも調査できますか?
A: いいえ、ドローンの安全な飛行と正確な赤外線調査のためには、降雨や強風のない乾燥した天候条件が必要です。そのため、調査日程は天候を考慮して調整し、必要に応じて予備日を設定させていただきます。
Q5: ドローン調査だけで十分ですか?打診調査も必要ですか?
A: ドローン調査は、広範囲を効率的にスクリーニングし、多くの劣化状況を把握するのに非常に有効です。しかし、劣化の種類や程度、建物の状態によっては、ドローン調査で得られた情報を基に、より詳細な確認のために部分的な打診調査や近接目視調査をお勧めする場合がございます。お客様の建物の状況とご要望に応じて、最適な調査プランをご提案いたします。
Q6: 法律で定められた点検(12条点検)にも対応していますか?
A: はい、スカイスキャニングが提供するドローン外壁調査は、建築基準法第12条に基づく定期報告制度の基準を満たしており、正式な報告書としてご活用いただけます。
まずはお気軽にご相談ください

建物の外壁は、日々紫外線や風雨にさらされ、時間とともに少しずつ劣化が進行していきます。適切な時期に適切な調査とメンテナンスを行うことが、建物の寿命を延ばし、安全性を確保し、そして資産価値を維持するために不可欠です。
スカイスキャニングのドローン外壁調査は、従来の調査方法が抱えていた「安全性」「コスト」「期間」といった課題を解決し、高精度な診断を実現する新しいスタンダードです。
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