必要性や赤外線調査がおすすめな理由を紹介

外壁調査の実施を検討しているものの、必要性や内容が分からないと思っている方は多いのではないでしょうか。
定期的な外壁調査は、建物の安全を確保し、資産価値を維持するために重要な作業です。


この記事では、外壁調査の必要性から、代表的な方法である打診調査と赤外線調査の違いまで、分かりやすく解説します。
建物の資産価値を守るために、正しい知識を身につけましょう。



外壁調査とは?

外壁調査とは?


外壁調査とは、建物の外壁にひび割れや浮き、剥離などの劣化がないかを調べる、専門家が行う調査のことです。
建物の美観を保つだけでなく、雨漏りや建物の構造的な問題を防ぎ、建物の利用者や周囲の人の安全性を確保するために不可欠な作業です。


建物の外壁は、紫外線や雨風、時間帯や季節による温度差などの要因で、年月とともに少しずつ劣化が進みます。
とくにタイルやモルタルの外壁は、表面に微細なひびが入ったり、接着剤の劣化による浮きが発生したりすることがあるため注意が必要です。
放置すると、雨水が建物内部に浸入して建材を腐食させる、タイルの落下による事故を引き起こすなどの問題に発展する危険性があります。


外壁調査では、おもに以下のような項目をチェックします。


調査項目概要
ひび割れ外壁の表面にできたひび。水の浸入経路となり、建物の構造を傷める原因になる。
浮き外壁材と下地の間に隙間ができている状態。タイルなどが剥がれ落ちる原因となる。
剥離外壁の塗装や仕上げ材が剥がれ落ちること。見た目が悪くなるだけでなく、下地を傷める原因になる。
欠損外壁材の一部が欠けている状態。雨水などが侵入しやすくなり、さまざまな劣化が進みやすくなる。

外壁調査によってこれらの劣化を早期に発見し、適切な補修を行うことで、建物の寿命を延ばし、安全性を維持できます。
建物の状態を正確に把握するためにも、信頼できる業者に定期的な調査を依頼することが大切です。


外壁調査が必要な理由

外壁調査が必要な理由


外壁調査は、単に建物の見た目をきれいに保つためだけに行うものではありません。
外壁の劣化を放置すると、思わぬ事故や大規模な修繕につながるリスクが高くなります。
外壁調査が必要な以下4つの理由を、詳しく解説します。


  • 法律で定められているため
  • 建物の寿命を延ばす
  • 事故を起こりづらくするため
  • 建物の資産価値を維持するため

法律で定められているため


建築基準法第12条により、以下のような特定の建物においては、原則10年ごとの定期的な外壁調査が義務付けられています。
対象となるのは、以下の建物です。


  • 特定行政庁が定める地域にある、地上3階建て以上の建築物
  • タイル張りやモルタル仕上げなど、剥落の危険性がある外壁

該当する建物では、外壁の劣化による破片の落下などが、重大な事故につながりかねません。
建築基準法では、外壁タイルの剥離や落下による危害を防ぐことを目的に、定期的な調査の必要性を定義しています。


また外壁診断を怠ったり、虚偽の報告をしたりした場合は、罰則の対象となります。
該当する建物の所有者は、必ず定期的に調査を実施しましょう。


参考:建築基準法|e-Gov 法令検索


建物の寿命を延ばす


外壁のひび割れや浮きといった劣化を放置すると、そこから雨水が建物内部に浸入し、建物の骨組みとなる構造材を腐食させてしまいます。
とくに木造建築物では、木材の腐食が進むと建物の耐久性が低下し、大規模な修繕が必要となる場合もあります。


しかし定期的に外壁調査を行っていれば、劣化を早期に発見可能です。
大規模な修繕が必要になる前に対応できるため、コストを抑えられ、建物の寿命も延ばすことにつながります。


事故を起こりづらくするため


外壁の劣化が進むと、重大な事故につながるおそれがあります。
外壁材の劣化により、タイルやモルタル、コンクリートなどの破片が落下するためです。
地震や台風などの災害で、劣化した外壁に衝撃が加わると、被害も拡大しやすくなります。


落下した外壁の破片が、建物の利用者や通行人に直撃すれば、ただでは済みません。
社会的信用を失うのはもちろん、被害者に多額の賠償金を払うリスクも伴います。
建物だけでなく、周囲の人の安全性を高めるためにも、外壁調査は欠かさず行うことが大切です。


建物の資産価値を維持するため


外壁は、建物の第一印象を左右する重要な要素です。
ひび割れや汚れ、剥がれが目立つ外壁は、建物の老朽化を感じさせ、資産価値が低下します。
とくに、売却や賃貸を検討する際には、外壁の状態が買主や入居希望者の判断に大きく影響します。
定期的な外壁調査とメンテナンスを実施すれば、建物の美観を清潔で安全な印象に保つことが可能です。


また、外壁の劣化をまめに修繕することで、建物内部の劣化も抑えられます。
建物の資産価値を維持できるため、売却や賃貸契約を有利に進められるようになります。


外壁調査の種類

外壁調査の方法は、おもに下記2つです。

  • 打診調査
  • 赤外線調査

メリットや向いている建物が異なるため、それぞれの特徴を理解し、適切な方法を選ぶことが大切です。
それぞれ詳しく解説します。


外壁打診調査


打診調査は、調査員が専用のハンマーなどで外壁を叩き、音の違いで劣化箇所を特定する方法です。
打診調査には、以下の2種類があります。


全面打診調査足場やゴンドラ、ブランコなどを設置し、調査員が建物の外壁全体を打診する方法。外壁の劣化状況を詳細かつ正確に把握できるものの、足場の設置に時間と費用がかかる。
部分打診調査低層階など調査員が手が届く範囲のみを打診する方法。費用と時間を抑えられるものの、調査できる範囲も限定的になる

打診調査は、古くから外壁の点検に用いられている、信頼性の高い調査方法です。
しかし、建物の高さや形状によっては調査が難しい場合があるため、注意が必要です。
また、建物の規模によっては、足場の設置費用や調査にかかる時間が膨れ上がるおそれもあります。
調査対象となる建物の状況などを考慮し、適切な方法を選択することが大切です。


外壁赤外線調査


赤外線調査は、赤外線カメラを使用して外壁の表面温度を測定し、温度差を解析することで劣化箇所を特定する方法です。
外壁に浮きや剥がれが発生している場合、正常な箇所と比べて表面温度が異なります。
撮影データの温度差を専門家が解析し、原因や進行具合を特定します。


赤外線調査の特徴は、一度で広範囲を調査できる点です。
赤外線カメラを搭載したドローンを活用すれば、足場やロープ、ゴンドラを使用せずに高所の外壁も調査できます。
人件費や設備日を抑えられるため、打診調査と比べて低価格・短納期で依頼できることが多いです。


一方で、温度差で異常を特定するため、太陽光の影響が少ない時間帯に行う必要があり、雨や強風の日には調査ができません
また、建物の構造や周辺環境によっては調査を実施できない場合もあるため、注意が必要です。


現代では安価で精度が高い赤外線調査が主流になりつつありますが、打診調査と併用されることも多いです。
それぞれの特徴を理解して、最適な方法を選択しましょう。


関連記事:外壁の赤外線調査のメリットやデメリット、優良な業者の選び方を紹介

外壁赤外線調査のメリット


外壁の赤外線調査には、以下のメリットがあります。

  • 比較的低価格で依頼できる
  • 広範囲を一度に調査できる
  • 調査時間が短い

赤外線調査では、足場が必要ありません。
足場が必要な打診調査の場合、建物の規模に比例して設置や解体、機材の費用がかかります。
一方赤外線調査では、高層ビルやマンションでも、ドローンを飛ばせば調査に必要なデータを撮影できます。
足場の設営に人件費を割く必要がないため、大幅にコストを削減可能です。


また、広範囲を一度に調査できるのも赤外線調査の特徴です。
赤外線カメラで遠くから撮影するため、複雑な形状の建物や人の手が届きにくい場所でも、スムーズに調査できます。
調査の準備や人員の移動時間なども抑えられ、短時間で調査が完了します。


外壁赤外線調査のデメリット


外壁の赤外線調査には、以下のようなデメリットも存在します。


  • 結果が天候に左右される
  • 劣化の原因までは特定できない場合がある

赤外線調査は、温度差で劣化箇所を特定します。
そのため、天候や時間帯の影響で、外壁が暑すぎたり冷たすぎたりすると、正確なデータが取れません。
たとえば、雨の日や強風の日、真夏のお昼過ぎなどは、正確な調査が難しいです。


また赤外線調査では、赤外線カメラで撮影したデータを専門家が解析し、問題を特定します。
そのため業者の技量によっては、劣化の具体的な原因や状況までは特定できない場合があります。
正確な結果を得るには、豊富な経験と知識を持った業者に依頼する、打診調査と併用するなどの工夫が必要です。


外壁調査の正しい方法を知って建物の寿命を延ばそう


この記事では外壁調査の概要から、調査が必要な理由、具体的な調査方法について解説しました。
外壁調査は、建物の安全性を確保し、資産価値を維持するために不可欠です。
とくに、建築基準法で定められた建物では、定期的な調査と報告が義務付けられています。


外壁調査の方法には、打診調査と赤外線調査の2種類があります。
打診調査は、調査員が直接外壁を叩いて劣化箇所を特定するため、調査精度が高い点が特徴です。
しかし、高所作業では足場が必要となり、時間とコストがかかるなどのデメリットがあります。


一方赤外線調査は、赤外線カメラで表面温度を測定し、データを基に劣化を発見する方法です。
足場が不要なため、コストや時間を大幅に削減できる反面、天候によって調査結果が左右される側面もあります。


どちらの調査方法が適しているかは、建物の種類や規模によって異なります。
建物の築年数や状況、周辺環境などを総合的に考慮して、最適な調査方法を選ぶことが重要です。


スカイスキャニング株式会社では、ドローンを活用した赤外線調査を提供しており、安全かつ効率的な外壁調査が可能です。
定期的な外壁調査と適切なメンテナンスを行うことで、建物の劣化を未然に防ぎ、大きな事故につながるリスクを低減できます。
お見積もりは無料なので、まずは気軽にご相談ください。


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