これまで日本では、住宅の価値は建ててから30年で無くなるというのが相場でした。はじめての方へ、日本では、欧米のように歴史のある建物にこそ価値があるといった文化ではなく、どちらかといえば、新しいものに価値を置く傾向が強いため、中古住宅の市場は大きく成長することもありませんでした。そのため、欧米では一般的なホームインスペクションも日本ではあまり普及してきませんでした。しかしながら、昨今、日本では新築住宅の建設戸数が減少に転じ、一方で中古住宅の売買件数の増加が目立つようになりました。この背景には、人口減少に伴う空家の増加や日本人の住宅に対する意識の変化、住宅の性能向上などが背景にあります。今後、益々、中古住宅の市場は広がって行くことが予想されます。
はじめての方へ、既存住宅、いわゆる中古住宅を購入する場合、ホームインスペクションの実施は不可欠です。物件の現状を把握し、隠れた問題や修理の必要性を事前に知ることで、将来的に必要となる修理やメンテナンスの計画を立てることができます。また、ホームインスペクションを実施することで、物件の価値を正しく評価する手助けにもなります。是非、ホームインスペクションを転ばぬ先の杖としてご活用いただければと思います。
ここでは、ホームインスペクションの利用がはじめての方へ、ご利用の手順を説明しています。
はじめての方へ、以下に、物件の購入申込みから売買契約に至る過程の中でホームインスペクションを実施するタイミングについて記載しています。ホームインスペクションを実施するベストなタイミングは、売買契約の前です。通常、売買契約時には手付金の支払いが発生します。契約後にホームインスペクションを実施した結果、仮に不具合が見つかり契約を解除することになった場合、解約手数料として手付金は没収されることに注意してください。
- 購入の申し込み
物件の購入の申し込みをします。
- インスペクションの予約
購入を検討している住宅の売主や不動産屋と連絡を取り、インスペクションの日程を調整します。
- インスペクションの依頼
申し込みフォームよりインスペクションのご依頼内容、日程を送付します。
- インスペクションの実施
インスペクターが現地を訪れ、物件の内部および外部を詳細に調査します。通常、インスペクションには4時間程度かかります。
- レポートの受け取り
インスペクションが完了すると、詳細なレポートをお渡します。レポートには、発見された問題点や推奨される修理・メンテナンス事項を記載しています。
- 結果の評価と対応
レポートを元に、売主との交渉や修理計画の立案を行います。必要に応じて、専門家に追加の評価や見積もりを依頼することも考慮しましょう。
- 売買契約の締結
物件の購入を決心したら、契約の手続きを開始しましょう。ホームインスペクションは契約手続きの前に実施するのが基本的な考え方になります。