現地調査を4日で完了!足場ゼロ!高さ82mの病院外壁を、精密診断。

大型医療施設 外壁調査 可視光画像(全景)

建築基準法第12条に基づく定期調査が求められる大規模建物において、従来の足場打診調査は費用・工期・安全性の三つの壁を抱えていました。高さ約82m・地上18階の大型医療施設において、スカイスキャニングはドローンによる赤外線調査により、この三つの課題を一度に解決しました。

このページでは、2026年3月に実施した大阪府内の大型医療施設(病院)での外壁全面調査の実績を詳しくご紹介します。使用機材・解析ソフト・調査結果まで、具体的なデータとともにお伝えします。

目次
  1. 現地調査を4日で完了!足場ゼロ!高さ82mの病院外壁を、精密診断。
  2. 建物概要
    1. 大型医療施設(地上18階・建築面積4,423㎡)
  3. 背景・課題 ― 高さ82mの病院が直面した外壁診断の壁
    1. 打診検査の3つの課題
    2. ドローンによる赤外線外壁調査という解決策
  4. 使用機材 ― 業界最高水準の機材で精密調査を実現
    1. ドローン:DJI Matrice 400
    2. 赤外線カメラ:Zenmuse H30T(0.05℃精度)
    3. 可視光カメラ:Zenmuse H30T(4,800万画素)
    4. 調査の実施体制
  5. 自社開発ソフト「Sky Scanning ThermoWall v2.3.0」による高速・高精度解析
    1. ThermoWallが実現する6つの特長
    2. 解析の6ステップ
      1. ① サーマル画像から温度分布データを抽出
      2. ② ガウシアンフィルタで背景温度を推定
      3. ③ 各ピクセルの温度差(ΔT)を算出
      4. ④ 閾値を超える異常領域を抽出
      5. ⑤ ノイズを除去し、連続した異常領域として整理
      6. ⑥ 面積・温度差・深刻度スコアを定量評価
  6. 調査結果 ― 可視光×赤外線で「見えないリスク」を可視化
    1. 可視光画像 vs. 赤外線サーモグラフィ画像の比較
    2. タイル浮き検出:低層棟南面の詳細
    3. ThermoWall 解析結果:深刻度スコアによる優先順位付け
    4. 診断結果サマリー
  7. 納品物 ― データで残す、次につながる報告書
    1. 赤外線建物診断調査報告書(PDF)
      1. 第1章:調査概要
      2. 第2章:建物概要・建築図面
      3. 第3章:撮影条件と撮影箇所
      4. 第4章:赤外線建物診断報告
      5. 第5章:建物診断結果考察
    2. 付属データ
  8. スカイスキャニングが選ばれる理由
    1. ① 国家資格保有の専門家が一貫対応
    2. ② 自社開発ソフトで業界最速の納期を実現
    3. ③ 壁面20m離れた地点から1cm角の異常を検出
    4. ④ 足場不要・現地調査を4日で完了
    5. ⑤ 修繕の優先順位が一目でわかる報告書
  9. 対応エリア
  10. まずはお気軽にご相談ください

建物概要

大型医療施設(地上18階・建築面積4,423㎡)

※掲載許可申請中のため施設名は仮称。許可取得後に正式名称を掲載予定。

項目 内容
施設種別 大型医療施設(病院)
所在地 大阪府内
構造種別 鉄筋コンクリート造
規模 地上18階・地下2階・塔屋1階
建築面積 4,423.83㎡
最高部高さ SGL +81.75m(約82m)
竣工年 2015年
外壁仕上げ材 PCaタイル(プレキャストコンクリートタイル)
調査日 2026年3月5日から2026年3月8日まで
天候 晴れときどき曇り

背景・課題 ― 高さ82mの病院が直面した外壁診断の壁

建築基準法第12条は、特定建築物の所有者・管理者に対して定期的な外壁調査を義務付けています。大規模な医療施設においてもこの定期報告は必須ですが、18階建て・高さ82mという規模では、従来の打診検査が大きな障壁となっていました。

打診検査の3つの課題

高さ82mの建物に足場を設置する場合、その費用は膨大となります。また設置・解体だけで数週間を要するため、病院の通常運営への影響も避けられません。さらに、人の目や耳に依存する打診検査はデータとして記録しにくく、再現性・客観性に限界があります。

課題 詳細
① 費用の膨大さ 高さ82mの足場設置・解体費用は数百万円規模。調査費用だけで大規模修繕並みのコストが発生することも。
② 運営への支障 患者・スタッフへの安全確保のため、作業範囲の制限や一時閉鎖が必要になるケースも。
③ データの再現性 打診は職人の感覚・技量に依存。箇所・程度・進行状況をデジタルデータとして残すことが難しい。

ドローンによる赤外線外壁調査という解決策

これらの課題を一気に解決する手段として、ドローンによる赤外線外壁調査をご採用いただきました。足場不要・地上からの遠隔操作・デジタルデータとして記録可能という三つの特長が、医療施設の要件に完全にマッチしました。

ドローン赤外線外壁調査の仕組みや法的位置付けについては、「外壁調査 ドローンの時代へ!」でも詳しく解説しています。

使用機材 ― 業界最高水準の機材で精密調査を実現

スカイスキャニングでは、業務用最高水準のドローンと赤外線カメラを使用しています。建築基準法第12条定期報告に対応した検出精度を確保するため、機材の選定にも妥協はありません。

ドローン:DJI Matrice 400

仕様 詳細
最大飛行時間 59分
最大速度 25m/s
障害物回避 全方向デュアルビジョン(LiDAR + ミリ波レーダー)
測位システム 内蔵RTK(高精度位置情報)

赤外線カメラ:Zenmuse H30T(0.05℃精度)

仕様 詳細
熱画像解像度 1,280 × 1,024ピクセル
温度分析性能 0.05℃(業務用最高水準)
空間解像度 0.5mrad
ズーム 最大32倍(デジタル)
検出素子 非冷却型マイクロボロメータ(8〜14µm)

検出精度:壁面から20m離れた地点からの撮影において、理論上1cm角程度の熱異常を1ピクセルで検出可能。建築基準法第12条定期報告に求められる外壁剥離の検出精度を十分に満たしています。

可視光カメラ:Zenmuse H30T(4,800万画素)

有効画素数4,800万画素・24mm光学レンズを搭載。赤外線画像と可視光画像を照合・補完することで、診断精度をさらに高めます。

調査の実施体制

役割 担当者 資格・認定
調査責任者 髙根 邦夫 赤外線建物診断技能師(STG80-0188)
操縦者 髙根 邦夫 一等無人航空機操縦士(第25010098301号)
安全管理者 髙根 邦夫 JADAドローン調査安全管理者(2025-0068)

一等無人航空機操縦士は国家資格の最上位。調査責任者・操縦者・安全管理者を資格者本人が一貫して担当します。調査から解析・報告書作成まで、一人の専門家が責任を持って対応するため、品質の一貫性が保たれます。

自社開発ソフト「Sky Scanning ThermoWall v2.3.0」による高速・高精度解析

Sky Scanning ThermoWall 解析結果

スカイスキャニングでは、自社開発の専用解析ソフトウェア「Sky Scanning ThermoWall(v2.3.0)」を使用しています。自動化された解析プロセスにより、人手による工程を大幅に削減し、業界標準より短い納期で正確な報告書の提出を実現しています。

ThermoWallが実現する6つの特長

特長 内容
自動検出 ドローン撮影のサーマル画像(R-JPEG)から外壁タイルの浮きを自動抽出
高精度フィルタリング ガウシアンフィルタで壁面全体の温度傾向を算出し、真の異常箇所のみを精度高く抽出
昼夜両対応 昼間(高温異常)・夜間(低温異常)の両撮影モードに対応
定量評価 各異常領域の面積・温度差・位置情報・深刻度スコアを自動算出
多形式出力 PNG画像・CSV・HTML・PDFレポートを自動生成
短納期 自動解析により人手による解析工程を大幅削減 → 業界標準より短い納期を実現

解析の6ステップ

ThermoWallは撮影データを受け取ってから報告書出力まで、以下の6ステップで全自動処理します。

① サーマル画像から温度分布データを抽出

R-JPEG形式のサーマル画像をピクセル単位で読み込み、各ピクセルの温度値を数値データとして展開します。

② ガウシアンフィルタで背景温度を推定

日射・反射などによる壁面全体の温度傾向を算出。局所的な温度差と広域的な温度勾配を分離します。

③ 各ピクセルの温度差(ΔT)を算出

背景温度との差分を全ピクセルで算出し、正規化された温度差マップを生成します。

④ 閾値を超える異常領域を抽出

ΔTが閾値を超える領域を異常候補として抽出。この閾値は建築基準法第12条の基準を踏まえて設定しています。

⑤ ノイズを除去し、連続した異常領域として整理

単発ピクセルのノイズを除去し、連続した領域として統合。信頼性の高い異常箇所のみを報告対象とします。

⑥ 面積・温度差・深刻度スコアを定量評価

各異常領域の面積・最大温度差・深刻度スコアを自動算出。修繕の優先順位が数値で一目でわかる報告書を自動生成します。

調査結果 ― 可視光×赤外線で「見えないリスク」を可視化

高層棟・低層棟の東西南北全外壁面を対象に、ドローンによる赤外線撮影と打診調査を組み合わせた調査を実施しました。以下に可視光画像と赤外線サーモグラフィ画像の比較例をお示しします。

可視光画像 vs. 赤外線サーモグラフィ画像の比較

外壁調査 可視光画像

▲ 可視光画像:外観では判別困難

外壁調査 赤外線サーモグラフィ画像

▲ 赤外線画像:高温部(黄色・赤)がタイル浮き候補として検出

タイル浮き検出:低層棟南面の詳細

外壁調査 可視光画像(低層棟南面)

▲ 可視光画像(低層棟南面)

赤外線サーモグラフィ(タイル浮き検出)

▲ 赤外線画像:面的な高温領域を検出

低層棟南面の一部において、周囲と比較して明瞭な温度差を伴う高温領域が広範囲に確認されました。タイルの浮きが面的に発生している可能性があり、打診検査による精査と部分改修の検討を推奨しました。

ThermoWall 解析結果:深刻度スコアによる優先順位付け

ThermoWall 解析結果(高層棟)

▲ ThermoWall解析:高温部箇所の位置と形状を表示

ThermoWall 解析結果(低層棟)

▲ ThermoWall解析:高温部箇所の位置と形状を表示

 

高温部として検出された箇所の一つひとつについて、さまざまなノイズの可能性を考慮して慎重に解析を進めていきました。

診断結果サマリー

評価項目 結果
全体評価 外壁全体にわたる広範囲な浮きの進行は認められず。現時点では直ちに全面改修を要する状況ではなく、経過観察と判断。
要注意箇所 低層棟南面の一部に明瞭な温度差を伴う高温領域を広範囲に確認。タイル浮きが面的に発生している可能性あり。打診検査による精査と部分改修の検討を推奨。
剥落リスク評価 面積が小さくかつ温度差が限定的な軽微部位はノイズの可能性を考慮し報告対象外とし、信頼性の高い箇所に絞って報告。
調査範囲 高層棟および低層棟の東・西・南・北 全外壁面

納品物 ― データで残す、次につながる報告書

赤外線建物診断調査報告書(PDF)

調査報告書は全5章構成で、建築基準法第12条定期報告に対応した形式で作成しています。

第1章:調査概要

使用機器のスペック・解析手法・実施体制・資格情報を記載。調査の信頼性を第三者に説明可能な形で文書化します。

第2章:建物概要・建築図面

建物の規模・構造・外壁仕上げ材などの基本情報と、調査箇所を示す図面を掲載します。

第3章:撮影条件と撮影箇所

天候・時刻・ドローン飛行高度・壁面からの距離など、調査時の環境条件を詳細に記録します。

第4章:赤外線建物診断報告

異常箇所の可視化画像・位置情報・面積・温度差・深刻度スコアを一覧化。修繕の優先順位が一目でわかります。

第5章:建物診断結果考察

データに基づく総合評価と、修繕方針に関する専門的な考察・推奨事項を記載します。

付属データ

可視光画像・赤外線サーモグラフィ画像のRAWデータ、および異常箇所の定量データ(CSV形式)をあわせてご納品します。将来の経年比較調査にも活用いただけます。

スカイスキャニングが選ばれる理由

今回の調査実績は、スカイスキャニングの5つの強みが結集した事例です。

① 国家資格保有の専門家が一貫対応

一等無人航空機操縦士(国家資格の最上位)・赤外線建物診断技能師・JADAドローン調査安全管理者を保有。調査・解析・報告書作成まで資格者本人が一貫して担当します。

② 自社開発ソフトで業界最速の納期を実現

汎用ソフトではなく自社開発の「Sky Scanning ThermoWall」を使用。自動解析により人手工程を大幅削減し、業界標準より短い納期での報告書提出を実現しています。

③ 壁面20m離れた地点から1cm角の異常を検出

DJI Matrice 400 + Zenmuse H30T(1,280×1,024解像度、0.05℃精度)の組み合わせにより、建築基準法第12条定期報告の検出精度基準を十分に満たす高精度調査を実施します。詳しくは「赤外線調査で建物の隠れた異常を発見する方法」をご参照ください。

④ 足場不要・現地調査を4日で完了

高さ82mの大型病院、現地調査を4日で完了。足場設置は不要のため、費用・工期ともに従来手法より大幅に削減できます。病院・商業施設など、運営への影響を最小限に抑えたい建物に最適です。

⑤ 修繕の優先順位が一目でわかる報告書

図面・可視画像・赤外線画像・深刻度スコアを組み合わせた報告書を提出。「どこを・どの順番で・どの程度修繕すべきか」が数値データで明確にわかります。

対応エリア

東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城(その他エリアはご相談ください)

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ドローン赤外線外壁調査は、建物の築年数・規模に関わらず、早めの診断が将来の大規模修繕コストを抑える鍵になります。

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